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 子どもに外遊びの大切さを伝える絵本「健康戦隊げんきレンジャー」  子どもの発育発達研究会推薦
健康戦隊
「げんきレンジャー」
〜 外遊びは大切だよの巻 〜
オフィシャルホームページ

ストーリーに秘められた思い

【作者の願い】

子どもたちの遊びの主体がゲームではなく,外遊びになり,
規則正しい生活習慣の必要性を子ども自身が認識するきっかけに
本書がなることを願っています.




最近の“子ども事情”は何が悪いの?

 最近の子ども達は身体活動自体が減り,ゲームをする時間がどんどん増えています.その影響もあって,体力の低下が著しいのみならず,気力の低下や対人関係の希薄化さえも感じられるようになってきました.この子達が成長して大人になったとき,体も心も社会性も未発達の弱いままでは,とても我が国をしょって立てないだろうし,社会の荒波にも耐えられないだろうと危惧しています.




今の子ども達はどうすれば良いの?


 体力,気力,意欲,社会性の低下を改善する方法はいろいろあると思われますが,幼少期において最も効果的なことはたくさんの友達と一緒に元気よく外で遊ぶことです.身体活動は脳の健全な発達も促進します.外遊びは単に体力だけでなく,心や社会性の向上にも役立ちます.特に,「○○に挑戦したい」「○○をやってみたい」といった前向きな心が育成されます.




いつ頃から気をつけていなければいけないの?

 文部科学省が全国的に調査した結果,体力の低下は幼児期から出現していることが明らかになってきました.つまり,今の子ども達の体力向上を目指すには幼児期から活動的で活発な生活習慣作りをする必要があります.これは,週に数回のスポーツの習い事をさせるだけではなく,子ども自身が自ら外に出て日々,活動的に遊ぶ習慣を身に付けることが大切です.逆に,幼児期からゲーム中心の遊び習慣を形成してしまうと,ゲーム依存症,ゲーム脳になったり,不活発な生涯を送る危険性が高まります.




なぜ,この絵本を出版したのか?

 子どもにとって好ましくない状況を打開するためには周りの親や家族,そして保育・教育関係者の役割はもちろん大切だと思いますが,どんなに周りの大人が頑張っても行動するのは子ども自身です.24時間・365日,大人が寄り添って指示することはできません.これまで,多くの子ども達を調査し,触れあってきた中で,何より子ども自身が「外で元気よく遊ぶことは大切なんだ」「ゲームのやり過ぎは良くないことなんだ」と思う“遊びの道徳心”を幼い頃から養うことが重要かつ効果的だと感じました.
 昔から「歯みがきをしよう」「道では遊ばない」といった絵本がありました.これらはまさに道徳心を養うためのストーリーでした.つまり,幼少期の子ども達には,絵本は効果的なツール(道具)です.そのため,外遊びの大切さを伝えるための絵本を出版しました.




この絵本は何歳から読み聞かせすれば良いの?


 
3歳頃から子どもの中に様々な嗜好が芽生えます.遊びの嗜好も同じですので,できるだけ早い時期から外遊びの大切さを知り,元気よく外で遊ぶ習慣作りを形成させると良いでしょう.したがって,本書は満3歳頃から読み聞かせをしてあげて下さい.もちろん,小学生のお子さんにも効果的であると思われます.




絵本のストーリーにはどんな教育的メッセージが含まれていますか?


 
本書は,「外遊びの大切さ」「ゲーム漬けの怖さ」「規則正しい生活習慣の重要さ」を子どもから大人までに認識して頂きたいと考えたので,子ども達,お父さん・お母さん,幼稚園・保育所の先生に伝えたいメッセージをストーリーに盛り込みました.




子ども達へのメッセージとは?


 本書を幼い頃から子ども達に読み聞かせをしたり,子ども達が自ら読むことによって,以下の教育的効果が生まれることを望んでストーリーを作成しました.
1.子ども自身が自ら外で元気よく遊ぶ必要性を感じる
1.友だちと仲良く遊ぶことの大切さを学ぶ
1.ゲームのやり過ぎは身体に悪いことを知る
1.規則正しい生活習慣・食習慣の大切さを知る
1.子ども同士で声を掛け合いながら外遊びをする習慣を養う
 これらの点を子ども達に伝えるため,ストーリーの中にそれぞれを意図する場面や会話を盛り込んでいます.道徳心を養い,行動の変容を促すためにも繰り返し読み聞かせをしてあげて下さい.




保護者へのメッセージとは?


 
過去と比較すると今の子は放課後と土日の活動量が極端に少なくなっています.つまり,家庭にいるときの時間帯での活動量不足が問題点の一つです.また,昔から伝えられてきた伝承遊びが今の子ども達には伝承されなくなっているとの報告もあります.今の親世代から子ども世代への遊びの伝承がなされていないのです.これらの解消のためにも,ぜひお父さんやお母さんには子どもとの遊びの時間を大切に考えて頂きたいと思います.
 ストーリーには「ママが小さい頃に大好きだった遊びを教えてあげるわ」とあります.保護者の皆様が読み聞かせをすることにより,親子での外遊びの必要性を感じて頂くことを望んでいます.




保育者へのメッセージとは?


 
幼児期の子どもにとって,幼稚園,保育所の先生,とりわけ担任の先生は絶対的な存在です.つまり,保育中においては先生の言動や行動に大きく左右されます.子ども達と一緒に外へ出て遊ぶ先生のクラスは身体活動量も多いのですが,逆に先生が外へ出ることを好まない(日焼けがイヤ,疲れる)とクラスの子ども達の活動量も少なくなります.これが,一年続いたとき大きな差となります.家庭にいるときは様々な社会状況の変化も加わり思うように子ども達は元気よく活動できないのが現状です.したがって,保育者の役割はとても重要です.
 ストーリーには「先生もみんなと一緒にお外で遊ぶわ〜」とあります.保育者の皆様が読み聞かせることにより,自ら率先して外遊びをする意欲と使命を持って頂くことを願っています.




この絵本をきっかけにゲームを止めさせることが必要なのですか?


 もちろん,理想は全ての子どもがゲームを投げ捨て,外遊びに夢中になることです.しかし,現代社会において子ども達からゲームを取り上げ,止めさせるということは到底無理なことです.したがって,本書の中では子ども自らが「時間を守ってゲーム遊びをしよう」というゲームとの上手なつきあい方(共存)ができるような配慮をしています.




今後も続編が出るのですか?


 
本書が多くの皆様からご支持頂き,その教育的効果も感じられたら,ぜひシリーズ化して外遊びだけにとどまらず,理想的な生活習慣形成に役立つ絵本作りに努めたいと思います.まだまだ,げんきレンジャーの仲間が増えていく可能性が大です.例えば,朝うんちマン,仲良しマン,お手伝いマンなども良いですね! 読者の皆様からのご意見も参考にさせて頂きたいと思います.




なぜ,主役が「外遊びマン」なのですか?


 
まだまだ健康や体に関して理解が低い幼児に対しても「外遊びは体に良いことなんだ!」「外遊びは見方なんだ」と言うことだけは単純に理解してもらいたいためにこのような直接的なネーミングをしました.野菜マンや早寝・早起きちゃんも同じです.
 ちなみに,けんとくんの名前は健康な人を目指してという思いから「健人」です.




どのようにこの絵本を活用すれば良いのですか?


 本書を読み聞かせながら,ご家庭や保育場面ではストーリーに合わせた様々な声がけをしてあげるとより効果が出ると思います.
 例えば・・・
「○○ちゃんもいっぱい遊んでパワフルキッズになろうね」
「ゲームばかりしてるとゲムゲムが出てくるよ」
「野菜マンが応援してくれるから残さずに全部食べようね」
「けんとくんのようにお友達を誘ってお外で遊ぼうね」
 また、3〜4歳の頃は読み聞かせ中心ですが、5歳ころになり少し字が読めるようになったら子ども自身に読書させるのも良いことです.




東日本大震災(放射能)の影響で外遊びができない子がいますが,
    どうすれば良いのですか?


 震災に見舞われた方々には心からお見舞い申し上げます.そんな中,放射能問題で本当は外で思いっきり遊びたいのに遊べない状況にある子が多くいるのも事実です.関係各位には子ども達のために一刻も早い復旧をお願いしたいです.しかし,そんな状況であるからこそ,子どもや大人達に「外遊びは危険」「外に行かせないために室内でゲームをさせておけば良い」という風潮が定着することは避けなければなりません.このような時だからこそ「外遊びは大切だ!」という価値観だけは養って頂きたいと思います.ですから,被災地の子ども達にも是非,読み聞かせてあげて欲しいと願っています.